はじめに:古いPCを「もう一度」活かす
「もう動作が重くて使わなくなったWindows機、どうしよう…」
そんなPC、実はUbuntuを入れるだけで“軽いサーバー”として再利用できます。
筆者の家でも、かつてWindows 10が入っていた Dell Inspiron を使い、
社内向けシステムの検証用サーバーとして再生しました。
本記事では、そのセットアップ手順と注意点をまとめます。
Active Directory検証やDockerの練習にも使えるので、ぜひ挑戦してみてください。
ステップ1:PCのスペック確認と準備
Ubuntuサーバーとして動かすには、以下のような最低スペックが目安です。
| 項目 | 推奨値 |
|---|---|
| CPU | 2コア以上(Core i3 以降ならOK) |
| メモリ | 4GB以上(8GBあると快適) |
| ストレージ | 64GB以上(SSD推奨) |
🔧 事前にやっておくこと
- 重要データのバックアップ
- BIOSでSecure Bootを無効化
- USBメモリ(8GB以上)を用意
ステップ2:Ubuntuのダウンロードとインストールメディア作成
-
公式サイトからUbuntuをダウンロード
👉 https://ubuntu.com/download -
Ubuntu Desktop または Ubuntu Server のどちらかを選択
- GUI操作をしたい場合:Ubuntu Desktop →今回はこちらをインストールします。
- サーバー用途に特化したい場合:Ubuntu Server
-
Rufus(Windows)や balenaEtcher(macOS/Linux)を使い、
ダウンロードしたISOをUSBメモリに書き込みます。
ステップ3:PCにUbuntuをインストール
- USBを挿してPCを起動し、BIOSでUSBブートを選択。
- 「Install Ubuntu」を選択してインストール開始。
- 言語・キーボード・ネットワーク・パーティションを設定。
※他OSを残したい場合は「Ubuntu alongside Windows」を選択可能。 - インストール完了後、再起動。
ステップ4:初期設定とSSHの有効化
サーバーとして使うなら、まずリモートで接続できるように設定します。
sudo apt update && sudo apt upgrade -y
sudo apt install openssh-server -y
sudo systemctl enable ssh
sudo systemctl start ssh
同じLAN内の別のPCから接続してみましょう:
ssh ユーザー名@<UbuntuのIPアドレス>
これでディスプレイやキーボードを外しても、ネットワーク経由で操作できます。
ステップ5:固定IPアドレスの設定(重要)
ルーターでIPが変わると接続できなくなるため、固定IPにしておきます。
sudo nano /etc/netplan/01-netcfg.yaml
network:
version: 2
ethernets:
enp3s0:
dhcp4: no
addresses: [192.168.0.50/24]
gateway4: 192.168.0.1
nameservers:
addresses: [8.8.8.8, 1.1.1.1]
保存して反映:
sudo netplan apply
ステップ6:便利なサーバー構成にしてみる
| 用途 | コマンド例 |
|---|---|
| Sambaでファイル共有 | sudo apt install samba |
| Dockerで検証環境構築 | sudo apt install docker.io |
| Webサーバー構築 | sudo apt install nginx |
| Active Directory検証 | sudo apt install samba-ad-dc |
これらを入れておけば、社内システムのテスト環境として十分活用できます。
ステップ7:自宅サーバー運用のポイント
- 定期的に
sudo apt upgradeを実行して更新 - UPS(無停電電源装置)を使うと安全
- ファイアウォール(ufw)の設定も忘れずに:
sudo ufw allow ssh
sudo ufw enable
ステップ8:メインPCでリモートデスクトップができるようにする
Ubuntuのデフォルトの設定で画面共有やリモートデスクトップができますが、 ログインしていないと使えなかったりと不便なため別にインストールを進めていきます。
sudo apt install xrdp -y
sudo systemctl enable xrdp
sudo systemctl start xrdp
sudo ufw allow 3389
上記で設定は問題ないためログイン確認をします。 Macを利用している場合はApp Storeから「Windows App」を使ってログインをしていきます。 mDNSを使ってローカルネットワークであれば名前解決ができため、コンピュータ名で接続をしていきます。
- PC name: [コンピュータ名].local:3389
まとめ:古いPCが学びと検証の基地になる
Inspironなどの古いWindows機でも、Ubuntuを入れることで 軽量で安定した検証用サーバーとしてよみがえります。
会社で使うActive Directoryやファイルサーバーの練習、 Webアプリのデプロイ検証など、自宅でも安全に試せます。
この環境を使って Samba ADを構築し、Windowsクライアントをドメイン参加させる手順 を紹介します。